その他

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<小牧市>

 小牧市街の西、木津用水沿いに位置する山。標高85.9m。尾張平野に位置しているため、好天時には頂上から名古屋市をはじめとして同平野の景観を一望できる。山名は、古く小牧山は湖沼地帯に囲まれ、西麓近くまで海で、舟人がこの山を望んで帆を巻いたので帆巻山と呼ばれ、転じて小牧山になったとする説や、中世には遠くから駒を集め、馬市を開いたところから駒来山と呼ばれ、それが転じたとする説などがある。
 戦国期は軍事上の要地で、永禄6年の織田信長の美濃攻めの際は清洲から小牧山へ本拠が移されている。また、天正12年の小牧・長久手の戦では、徳川家康が本拠地を置いた。
 地質は古生層(秩父古生層)からなる。岩質は大部分がチャートで、部分的に砂岩・粘板岩がみられる。山の西・北西上部には自然林に近い状態が残り、タブノキ・オガタマノキの大木や、暖帯海洋性の植物が多くみられ、縄文海の海進を裏付ける貴重な資料になるという。観音洞にはクスノキ・オガタマノキの大木や、常緑広葉樹が茂る。山北駐車場面や山腹の遊歩道沿いには、タブノキ・クロガネモチの老樹があり、夏にはヤナギイノコズチの群落ができる。この近くの斜面下部にはかつての竹林がわずかに残存し、上部域まではタブノキを一層とし、オガタマノキ・ツブラシイ・サカキなどの老樹が茂る。東向斜面および道路沿いにはタカオカエデの大木やタブノキが目立つ。青年の家より登る取りつき付近はオカメササの群落やツル性植物のマント群落が形成される。頂上をとりまく一帯の陽向地にはワラビ・イワヒメワラビ・ヨウシュヤマゴボウ、樹陰にはヤブラン・ジャノヒゲ・オオバジャノヒゲなどがある。現在、遊歩道の建設が進み、山頂には小牧市歴史館がある。