阿賀良村
<小牧市>
〔中世〕鎌倉期に見える村名。尾張国春日部郡のうち。元亨2年6月27日付林・阿賀良両村名主浄円等連署請文によれば「林・阿賀良村」は春日部郡司藤原範俊の開発したものであるが、名主の宴源・浄円らが代々相承する別相伝の地であったといい、鎌倉円覚寺に一定の年貢を納めるかわりに、下地は名主らが支配を行うこととしている。同年月日の名寄帳では「阿賀良村田代坪々」の総田数は5町余、うち定田2町3反余。定田のうち1町8反余は公田で、二宮に神用米・栗・炭が納められたほか、円覚寺御年貢銭650文が納入されたという(円覚寺文書/相州古文書2)。比定地は未詳だが、現在の小牧市内にあったものと思われる。