川名の由来

川名の由来

<東大林町>

川名の由来
 この川の河口の地名、旧)大林村字「西ノ洞」現)大林町「西洞」を冠した川名。

西洞川の概要
 大林町と立岩町の境界を流れる川で、途中で大林川と合流して大林橋辺りで巴川に注ぐ準用河川。

にしぼら(西洞)の由来
 表記文字の通り、町の西側に位置する洞地形の所を表現した地名。

5.(5).1) 西洞川


<高野町>

川名の由来
 この川が流れる、旧)村名「高野村」を冠した川名。

高野川の概要
 諏訪神社を源に高野地内を南流し、宮川橋あたりで野原川に合流する小川。

高野の地名由来
 タカ(高)・ノ(野)は、当地の地形を高所の野原と表現した地名。


<高野町>

川名の由来
 この川が流れる旧)村名「保殿村」を冠した川名。

川の概要
 高野町(保殿)地内の山地を南に流れ野原川に注ぐ小さな谷川。下流に名所「不動滝・保殿の七滝」がある。

ほどの(保殿)の由来
 ホトノは、包みこまれたような地形を女性の陰部に見立てた地名と推察される。

参考
 ホト〔仏、程、保戸、保土〕:①「女陰」の意から船形・穴形の地形、多くは河谷の名。二股のようになっている所。②山間のくぼんだ所。③フトに同じ。④懐。ふところ(方言)。ホホ(含)・ト(処)の略で、「包みこまれたような地形」。⑤ホ(秀。穂)・ト(処)で、「突出した地形」。⑥動詞ホトブ(潤)から、「湿地」。『地名用語語源辞典』


<阿蔵町>

川名の由来
 この川が流れる、旧)村名「阿蔵村」を冠した川名。

阿蔵川の概要
 野原川の上流の川で、段戸トンネルが抜ける新城市との境界嶺を源頭に、阿蔵地内を西流して、昭和橋の架かる辺りから南に曲がり、保殿川と合流し川名を「野原川」に変えて巴川に合流する渓流。途中から一級河川となる。

あぞう(阿蔵)の由来伝
 むかし、麻を多く産出し、それで織った衣服を神に捧げたので麻苧村と呼んだのがはじまりと伝える(下山村誌)。
 二説、アゾウは崩壊地を指す地名用語で、アソ・アズに通じ、地形図からも山麓の崩壊地形を表現した地名と推察される。
 また、地内字地名に、〔石原・噌理・九市戸=朽処〕など崩壊地を思わせる地名がある。『愛知地名集覧』

参考
 アソ〔阿蘇、阿曾、安蘇、浅生〕:①(水などの)浅い所。②麻の生えた所。③アス、アズに通じ、崩崖なそ、「崩壊地形、浸食地形」をよんだもの。

 アゾ〔莇、薊、阿曾、麻生〕:①岩石原。崩岸。岩塊の堆積させる所。黒部地方でアス、アズに通ずる。②畑の境界(方言伊豆大島、三宅島)。

 アゾウ〔阿蔵、安蔵、薊生、莇生〕:アゾ(アソ)・フ「~になった所」)の形の地名。


<宇連野町>

川名の由来
 この川が流れる、旧)村名「吉平村」を冠した川名。なお吉平村は、宇連野町になる以前の村名。

吉平川の概要
 総合射撃場のある、旧)吉平村地内の山林を源頭に西流し、滝見橋の付近で野原川に注ぐ小川。

よしだいら(吉平)の由来
 野原川と合流する辺りの河岸に平坦な地が見られることから、葦草の生える小平な所を好字二文字地名文化作法により、吉平と表現した地名と推察。


<宇連野町>

川名の由来
 この川が流れる、旧)村名「宇連野村」を冠した川名。

宇連野川の概要
 作手村との境界峰を水源に宇連野町地内を西流し、野原川に注ぐ渓流。

うれの(宇連野)の由来
 ウレは先端を意味し、作手村との境界嶺にある村。

参考
 ウレ:①ウラ(末)と同じく、末、端。②上、上端(方言岐阜県吉城郡)。③村里の奥の方。辺鄙な里(方言:岐阜県吉城郡)④山の頂上の辺り(方言:静岡県安倍郡)『地名用語語源辞典』


<野原町>

川名の由来
 この川が流れる通称地名「奥山」を冠した川名。

奥山川の概要
 作手村との境界峰を水源に野原町地内を西流し、野原川に注ぐ谷川。

おくやま(奥山)の由来
 集落から見て奥にある山を通称「奥山」という。なお、旧)野原村の字地名・小名地名に「奥山」地名は見当たらない。沢地名には〔寒沢・日下沢・大蔵洞〕の地名が見える。『愛知地名集覧』


<大沼町>

川名の由来
 この川の河口の地名、旧)東大沼村字「右エ門西」「右エ門東」を合わせた通称地名「右衛門殿」を冠し、川名の呼称は地元では「えもんどがわ」と呼ぶ。

右衛門殿川の概要
 炮烙山の北東山麓を流れ大伏集落を抜けて右衛門殿集落地内で巴川に注ぐ渓流。

地名うえもん(右衛門)の由来
 大沼城を警護する地位にある人が住む所から付けられた地名か。あるいは代官「坂東作右衛門」に因むか。

参考
 うえもんふ(‥ヱモンフ)【右衛門府】:律令制で、左衛門府とともに衛士を率いて宮城諸門の警衛、開閉をつかさどる官司。職員に督、佐、大少尉、大少志のほか、府生、衛士等がある。左右衛門府は、大同三年左右衛士府に併合したが、弘仁2年11月左右衛士府を左右衛門府と改めた。靫負のつかさ。『国語大辞典』

5.(3).7) 右衛門殿川


<平瀬町>

川名の由来
 この川が流れる、旧)村名「平瀬村」を冠した川名。

平瀬川の概要
 右衛門殿川・切山川と分水嶺を境に平瀬村の山地を東に流れ巴川に注ぐ谷川。

ひらせ(平瀬)の由来
 巴川に面した集落であり、巴川が急流な浅瀬になっている所を表現した地名か。

5.(3).6) 平瀬川


<大沼町>

川名の由来
 この川が流れる、旧)村名「梶村」を冠した川名。

川の概要
 上流の仏供川集め、梶川と名前を変えて、旧)梶村地内を流れ、さらに下流で猫ケ洞川と合流して平瀬町地内で巴川に合流する小川。

かじ(梶)の由来
 一説、川が大きく曲がる所の村であり、川に侵食(齧られる)される所を表現した地名か。
 二説、村の歴史から、城主の梶修理など梶氏に由来する地名。(鍛冶部につながる氏族か)

参考
 カジ〔梶、鍛冶、鍛、楮、加治、賀地、金知、徒〕:①令制の鍛冶部、鍛冶職の居住地。②動詞カジル齧るの語幹で引掻かれたような地形、崩壊地形。③動詞カジクの語幹で、生気がなく衰えた土地。『地名用語語源辞典』